インドのパーム油計画は気候変動を考慮していない

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インド南部アーンドラプラデーシュ州のアブラヤシ農家、マダバ・ラオさん（画像：Kevin Samuel / China Dialogue）

ルー・デル・ベロ

2023年4月19日2023年5月5日

国内パーム油生産拡大を目指すインドの野心的な取り組みは、亜大陸の気候変動を考慮していないことが分析で示された。 これは石油自給自足を目指す同国の計画を狂わせる可能性のある見落としだ。

インドは2021年に96億米ドル相当のパーム油を輸入しており、そのほとんどがインドネシアとマレーシアからのパーム油の世界最大の購入国となっている。 同国は、国内のアブラヤシ栽培面積を2019年の35万ヘクタールから2026年までに100万ヘクタールに増やすことで、この市場の現在および将来の収益の一部を農家の懐に移したいと考えている。

ヤシの木は一度根付くと実がなるまでに 3 ～ 4 年かかり、20 ～ 25 年間実を結びます。 研究者たちは政府と協力して、このような長期的な取り組みに最適な生態系を特定してきました。 これまでは、過去の気象データを観察して降雨量などの要因を予測することで、これらを効果的に特定できたでしょう。 しかし、気候変動により世界中の天気や水のパターンが変化する中、そのような情報は物語の一部にすぎません。

インド農業研究評議会（ICAR）のパーム油部門の主任科学者であるMVプラサド氏は、インド政府の下で運営されている同研究所が18州で約280万ヘクタールの適地を特定したと説明する。 国の北東部は特に有望であると考えられています。 「この計画では、灌漑、降雨量、気温、相対湿度に必要な水量を検討しており、パーム油の生産が森林被覆や地元の動植物を妨害してはならないことも念頭に置いています。」 プラサド氏によると、適切な湿度と水が利用可能な地域のみが拡張の対象となっているという。

インド熱帯気象研究所の気候科学者ロキシー・コル氏は、「この評価では、インドの過去の降雨量（1950年から2000年）の長期平均条件を考慮して、降雨量が良好な地域に焦点を当てている」と述べている。 しかし、同氏は、「この期間に降雨パターンが変化し、インド中部と北部では減少傾向が見られ、評価では観察されたこれらの変化は考慮されていない」と説明し、代わりに調査対象の50年間の結果を平均している。

「アブラヤシの栽培は近い将来に計画されているため、気候予測から予測される降水量の将来の変化を考慮する必要がありますが、それも評価では省略されています。」とコル氏は付け加えた。

世界資源研究所（WRI）のデータプロジェクトである水道橋の責任者である研究アナリストのサマンサ・クズマ氏は、干ばつであれ洪水であれ、世界中で気候変動が極端な状況を悪化させていると語る。 「そして、それらのことは同じ場所で起こる可能性さえあります。」

インド亜大陸はこの傾向の一例です。 研究者らは、気候変動の影響で、嵐の数が増えると一度に大量の水をもたらす一方、総降水量は今後数十年間で減少し続けると予想している。 短時間に大量の雨が降ると、水は地面に浸透して帯水層を補充する前に洗い流されてしまいます。

2015年の論文の中で、コル氏は、これまでの研究が示唆していた内容に反して、気候変動によりインドのモンスーンが弱まり、北東部やベンガル湾を含むインド北部および中部の全体的な降水量が大幅に減少していることを観察した。 コル氏らのチームが分析した1901年から2012年にかけて、インド南部の西ガーツ山脈全域、特にケーララ州でも雨が減少した。

これらはすべて、インド政府がデータ分析に基づいて拡張に最も適していると判断した分野であり、コール氏によると、天候の変動がどのように進化するかを見逃しているという。